日焼け止めを肌へ使用する必要性とは
夏になるとプールや海で肌を焼いたりする人は多く見られますし、黒く焼けた肌は健康そうなお肌にも見えます。
しかし、太陽の光に含まれる紫外線を多く受けすぎると、シミやシワの原因となったり、お肌の老化を早めてしまう危険性もあるのです。
シミやそばかすの原因となる紫外線
通常お肌が紫外線を受けた場合には、表皮に含まれるメラノサイトと呼ばれる部位によって黒褐色のメラニンが作られるのですが、このメラニンは普段は紫外線からお肌を守るために働いています。
しかし、紫外線を過度に受けてしまった場合には、大量のメラニンが作られることになることから、肌のターンオーバーでは処理しきれなくなり、その結果としてメラニンが肌に残ってしまいシミやそばかすの原因となってしまうのです。
肌のシミやそばかすについてはこちら
紫外線による肌の光老化
光老化とは、紫外線は通常の加齢に伴う老化とは別の太陽光によって引き起こされる肌の老化現象です。
もともと、人の肌の深い部分にある真皮層は多くのコラーゲンやエラスチンという成分で構成されおり、この真皮層に含まれるコラーゲンやエラスチンが皮膚の弾力やツヤを保持するのに役立っています。
しかし、紫外線を過度に浴びてしまうと、このコラーゲンやエラスチンを破壊する酵素を増やしてしまうのです。その結果、皮膚の弾力やツヤが失われ、シミやたるみを生み出す光老化になってしまうのです。
このように、紫外線はお肌の老化や肌トラブルを引き起こすことから、日焼け止めをぬる必要性があるのです。
紫外線の種類であるUV-AとUV-Bの違いとは
UV-A
紫外線は、その波長の長さによって大きく分けてUVーA(紫外線A波)とUV-B(紫外線B波)の種類が存在しています。
このうちUV-Aは、地表に届く紫外線のおよそ90パーセント以上を占めています。
このUVーAの特徴は、波長が長く肌への攻撃力という点では弱いのですが、じわじわとダメージを与える上に、肌の表皮を通過して真皮層までも達することから、シミやシワの原因となりやすいところです。
しかも、厄介なことに窓ガラスや雲も通過してしまうことから、室内でも晴れでない日であってもUV-A対策が必要になります。
UV-B
UV-Aに比べれば地表に届いている量は少ないのですが、肌への攻撃力という点でははるかに強力になっています。
長時間紫外線に浴びた結果によって肌が真っ赤になってしまったり、水ぶくれができたりという効果をもたらしているのがUV-Bです。
しかし、このUV-Bは波長が短いことから、雲などによっても遮られやすく、肌においても真皮層までは到達することができないことから、表皮においてしか影響をもたらしません。
日焼け止めを選ぶ基準となるSPFとPAとは
SPF
日焼け止めを選ぶ場合に、SPFという表記をよく見ますがどういう意味がご存知でしょうか。
このSPFとは、Sun Protection Factor の略で、主にUV-Bの防止効果を表す目安となる数字となっています。
これは、肌に何も塗っていない状態で日焼けする場合と比べて、日焼け止めを塗った場合には日焼けが始まるまでの時間を何倍にまで延ばせるかという目安となっています。
全く塗っていない目安が約20分程度とされていることから、SPF30ではその30倍となるので20×30=600分日焼けの時間を延ばせるということになります。
もっとも、これはあくまでも目安であることから、場所によって紫外線の強さも異なってきますし、水や皮膚の接触によって落ちてしまうこともあることから、過度に信用しすぎないようにしましょう。
PA
PAとは、Protection Great Of UVA の略で、こちらはUVーAの防止効果を表す目安となっています。
肌に何も塗っていない状態と比べて数時間後の肌の状態を測定したもので、PA++++、PA+++、PA++、PA+の4段階が存在しています。
このPAの後の+が増えるほどにUV-Aを防ぐ効果が高くなっていることから、PA++++が最も強い効果を有していることになるのです。
SPFやPAの数値から日焼け止めを選ぶ基準とは
日焼け止めを選ぶ場合には、日焼け止めを防ぐ効果の高いSPFの一番高いものやPAの+の多いものを選んでおけば良いんじゃないかと思われるかも知れませんが、このような強い日焼け止めを選ぶ場合にもデメリットは存在しているのです。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とは
日焼け止めには、紫外線を肌の表面で吸収することによって肌の内部に紫外線が届くことを防ぐ効果を持つ紫外線吸収剤と、肌の表面に膜を作ることによって紫外線を肌表面で反射させることで紫外線が内部へ届くことを防ぐ紫外線散乱剤という成分が含まれています。
これらの成分があることによって、紫外線が肌へ浸透することを防いでいるのですが、紫外線吸収剤は紫外線を吸収する際に化学反応を起こすので肌荒れの原因ともなりますし、紫外線散乱剤も紫外線吸収剤ほどではありませんが肌が乾燥する原因となるのです。
出かける場所や時間によって使い分ける方法とは
そこで、常に紫外線防止効果の高い日焼け止めを使うのではなく、出かける場所や外出している時間などを考慮して日焼け止めを選ぶようにしましょう。
例えば、海やプールなど長時間強い紫外線に肌をさらす場合には、SPF50やPA++++などの強い紫外線防止効果を持った日焼け止めを使うことが効果的です。日焼け止めによる肌への刺激よりも、紫外線による肌への悪影響のほうがはるかに大きいからです。
外に買い物に出かけたり、外に短時間ウォーキングなどや軽い運動などをする場合には、SPF30やPA+++程度のものを使用するようにしましょう。あまり強い紫外線防止をする必要がないからです。
日焼け止めを上手に使って、綺麗な肌を維持しましょう。