肌の老化の起こる原因とは ターンオーバーとの関係
私達の体を覆い外界の様々な刺激から身体を守ってくれる役割をしている皮膚は、表皮、真皮の二層から構成されています。このうち真皮は、毛細血管やリンパ管などが存在しておりこれらを通じて表皮へと栄養素を供給する役割を果たしていて、表皮が次々と新しくなるターンオーバー(新陳代謝)を促しているのです。
ここで、ターンオーバーとは、表皮が最も深い層である基底細胞層で新しい表皮細胞が作られてからおよそ28日かけて角化、角質細胞となり、一番外側に届き角質層となるのですが、その後に役割を終えて垢としてはがれていくという肌の組織の入れ替わりのことをいいます。
このターンオーバーの仕組みによって、表皮に生じた傷やシミが垢として剥がれ落ちることから痕に残らずに消えていくのです。肌を保つためには、このターンオーバーの仕組みが重要になってきます。
皮膚は、紫外線その他の外界の刺激から体を守るために働いていますが、そのダメージが表皮に留まる程度であるならば、通常のターンオーバーで回復します。しかし、様々な刺激を長期間にわたって受け続けてしまうと、そのダメージは真皮にまで及んでしまうことから、ターンオーバーでは回復困難になってきてしまうのです。
そして、この肌のターンオーバーの機能は、年をとることで新陳代謝の様々な機能が低下してくることから、次第に日数もかかるようになってきてしまいます。
このように老化に伴うターンオーバー機能の低下で、紫外線などで発生したダメージがターンオーバーで回復困難になった場合には、若いころにあったハリが失われていき、肌がシワシワになったりシワができてきてしまうのです。こうして、肌の老化が生じていきます。
お肌を若々しく保つ方法とは
紫外線対策
皮膚が受けるダメージで最も大きいのが紫外線であることから、まずは紫外線対策が重要です。
お肌に紫外線を受けると、表皮の最下部にあるメラノサイトにおいて、紫外線を感知するチロシナーゼが皮膚を守るためにチロシンという物質に働きかけ、黒褐色のメラニンを作り出して日光障害や悪性腫瘍などから肌を守ろうとします。
しかし、強い紫外線を浴びたり、長時間紫外線を浴びることを繰り返した場合には、この作られたメラニンが肌に溜め込まれてしまうのです。この溜め込まれたメラニンが色素定着したものが、肌のシミの原因となります。
そこで、紫外線の強い場所にいる場合には、帽子や日傘を使ってお肌を紫外線から守るようにしましょう。最近よく出ているUVカットの化粧品なども有効です。
活性酸素による肌の老化防止
活性酸素が肌の老化を起こす仕組みは、まず私達が生きるために呼吸をした場合に、そのうちの数パーセントが強い酸化力をもつ活性酸素に変化してしまいます。
そして、この活性酸素は本来細菌やウィルスなどを攻撃してくれる有用な働きをしてくれていますが、活性酸素が増加しすぎてしまうと正常な細胞をも攻撃してしまうことから、細胞の老朽化を招いて新陳代謝機能(ターンオーバー)を衰えさせてしまいます。
新陳代謝機能が衰えると、細胞内における栄養分の取り入れと老廃物の排出が滞ってしまうことから、お肌の老化が進行してしまうのです。
活性酸素を体内に溜め込まないためには、まず喫煙をしないことが重要です。煙草の煙には活性酸素だけではなく、活性酸素の発生を助ける様々な有害物質を多く含んでいることから、喫煙をすることで体内の活性酸素を増加させてしまうからです。
また、マラソンなどのように長時間の激しいストレスのかかる過度の運動も活性酸素を増加させてしまいます。呼吸量の増大自体でも単純に活性酸素を増加させますので、激しい運動を控えて軽めの適度な運動にとどめておきましょう。
そして、ストレスを溜めすぎないということも重要です。過度なストレスを長時間受け続けてしまうと、体内に活性酸素を増大させてしまうからです。過度なストレスのかからない環境下に身をおくとともに、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。
紫外線も活性酸素を増大させる要因となります。紫外線をうけると皮膚の内部に活性酸素が増大してしまうのです。活性酸素の発生を防ぐという意味でも紫外線を避けましょう。
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糖化による肌の老化防止
活性酸素とともに、身体の糖化もお肌を老化させる原因となります。糖化というのは、食事で摂取した糖と体内にあるタンパク質が結びついてしまい、糖化したタンパク質(AGEs)が体内に留まることをいいます。
この、AGEsは体内を老化させる老化物質なので、新陳代謝を阻害することから、AGEsがお肌の真皮にあるコラーゲンに蓄積してしまうと、お肌の弾力が損なわれたるみやくすみ、シワなどが生じやすくなってしまうのです。
それだけではなく、AGEsが体内に増加すると血管がもろくなるなど体の機能に様々なトラブルを引き起こしてしまいます。心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わるリスクも増大するのです。
身体の糖化を防ぐためには、おかしやケーキなどの甘い糖分を必要以上に食べ過ぎないようにすることが重要です。血糖値を食後にどれくらいあげるかという指標としてGI値というものがあるので、このGI値が低いものを選らんで食べるようにしましょう。
また、野菜を先に食べるなどして血糖値が急激に上がらないようにする工夫や、運動をすることによっても血糖値を下げることができることから、これらの習慣を毎日の生活に取り組んでいくことが重要です。