月経周期(生理)と女性ホルモンの体に及ぼす影響とは?月経前諸侯群とエストロゲン・プロゲステロン【2024】

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そもそもホルモンとは

ホルモンという言葉を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、ホルモンとは身体の様々な働きを調整する化学物質で、脳下垂体や甲状腺といった内分泌腺において各所で様々なホルモンが作られています。

私達の身体の内部で分泌されるホルモンの数はおよそ40種類以上にも及び、ホルモンは血液によって全身に運ばれて、内蔵を調整したり身体の調子を整えたりしているのです。

女性ホルモンとは

このホルモンのうち、女性の健康を保ったり、毎月の生理を調整したり、妊娠から出産へ身体を変化させたり、女性特有の身体つきに変化させたりするのに大きな影響を及ぼしているのが女性ホルモンです。

女性ホルモンの分泌方法は、まず脳の中の視床下部においてその下にある下垂体というところにホルモンの分泌を促すように命令を出します。この命令によって下垂体が性腺刺激ホルモンの分泌をはじめ、このホルモンが卵巣に働きかけることによって女性ホルモンが分泌されます。

このとき分泌される女性ホルモンには、エストロゲンプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが存在します。

 

女性の体調を整えたり、女性らしい身体つきにしてくれるのも女性ホルモンなのです

エストロゲン(卵胞ホルモン)の特徴とは

エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれており、排卵の準備をすると同時に女性らしさを引き出すホルモンです。

エストロゲンの働きとしては、女性らしい声や肌を作る効果があったり、乳房を発達させたりして女性らしい身体つきを作る働きをしています。

また、子宮や卵巣などの女性器の発達を促したり、排卵を促したり、受精卵が床着しやすいように子宮内膜を増殖させたりして妊娠や出産に適した身体を作る働きをしてくれています。

さらに、肌や髪に潤いやツヤを与えたり、骨を丈夫したり、自律神経に作用したりと日常生活でも役に立つ有用な働きもしてくれているのです。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の特徴とは

プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれており、妊娠に備えるために子宮の状態を整えたりすることから、妊娠のホルモンといわれています。

プロゲステロンの働きとしては、子宮内膜を厚くして着床の準備をしたり、基礎体温を高めたりして妊娠したときに妊娠を維持させ胎児を守る効果があります。

また、プロゲステロンには水分や栄養を溜め込んだり、頚管粘液の粘度をアップして細菌などの侵入を防ぐ働きをしています。

 

エストロゲンやプロゲステロンは女性が妊娠するのに役立っているのです

 女性ホルモンと生理の周期との関係とは

女性ホルモンとして分泌されるエストロゲンとプロゲステロンですが、この2つのホルモンの分泌量は常に同じ量を分泌しているというわけではなく、生理の周期にあわせて増加したり減少したりします。

2つのホルモンが上手く増減を繰り返すことで、身体のバランスが整えられ生理が規則的に訪れることになります。

生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間を月経周期といいますが、だいたい25~38日のサイクルとなっています。このサイクルの期間内において、女性の身体の内部のホルモン分泌量によって、卵胞期、排卵期、黄体期、生理の4つの期間に分類することができます。

卵胞期

生理から次の排卵が行われるまでの期間を卵胞期といい、脳下垂体から分泌される抱卵刺激ホルモンの働きによって、卵巣にある原始卵胞の一つが発育し始めます。

この卵胞が発育していくに伴ってエストロゲンの分泌量が増大していき、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。

エストロゲンの分泌量が増えることから、女性にとっても最も体調が良くなり、肌や髪にツヤがでて、気分もリラックスして安定します。

思考もポジティブになることから、女性にとって元気な時期です。

排卵期

脳下垂体から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が急激に増大することから、発育した卵子が卵胞から飛び出してくる排卵がおきます。

この排卵がおきる排卵日は、次の生理が始まる約2週間前の12~15日前くらいの期間におこります。この排卵期には体調が悪化するという人が多くいますが、個人差はありますが排卵日をはさんだ2、3日にでやすくなります。

排卵日前後の症状としては、腰が重くだるくなって感じる腰痛や子宮のあたりがズキンと痛むようになる排卵痛と呼ばれる痛みが生じます。他にも、黄体ホルモンの分泌が増大する作用として眠気やだるさを感じる場面が多くなったり、吐き気を伴う頭痛やめまいなどがおきたりします。

だいたいこの排卵のおこる4、5日前から排卵後1日が妊娠可能な時期となっています。

黄体期

排卵は起こった後から次の生理までの期間を黄体期といいます。卵子が飛び出した後の卵胞が黄体という組織に変化することから、そこからプロゲステロンとエストロゲンが分泌されるようになります。

排卵後にはエストロゲンよりもプロゲステロンの分泌のほうが活発に分泌されることから、子宮内膜が厚くなるので、下腹部に不快感や違和感を感じることがあります。

また、プロゲステロンの影響で皮脂の分泌が盛んになることから、この時期に不摂生をしてしまうとお肌に吹き出物やニキビなどができやすくなってしまうので注意が必要です。

この時期は心身ともに不安定になりやすいことから、黄体期に現れる様々な精神的身体的症状であるPMS(月経前諸侯群)という症状が出やすくなります。PMSの症状としては、イライラしたり、抑うつ傾向になったり、頭痛が起きたり集中力が低下したりします。

 

イライラしたり抑うつ傾向になるのはPMSのせいかもしれません

生理

黄体期に妊娠していた場合には、エストロゲンとプロゲステロンの分泌は続きますが、妊娠していなかった場合には、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は大きく減少してしまいます。

妊娠が起きなかった場合には、新しい子宮内膜が作られやすいように古い子宮内膜は壊されて溶けて血液と一緒に剥がれ落ちます。これが生理です。

生理周期は25~38日と人によって間隔が大きく違いますが、人それぞれである程度安定した周期で繰り返されています。生理が遅れている場合には不安になりますが、生理は体調などによって左右されやすいことから多少のずれでは心配することはありませんが、生理開始予定日から1週間以上すぎるようなことがあれば、その原因と探り原因を取除くようにしましょう。

 

エストロゲンの量のほうが多い卵胞期やプロゲステロンのほうが多くなる黄体期など、自分の生理の周期と状態をしっかりと理解して、体調をしっかりと管理するようにしましょう。