血管の老化で血管年齢が高くなる原因とは
人の血管の総延長は9~10万キロメートルにまでおよび、血液に含まれる酸素や栄養分を体のすみずみにまで届ける重要な働きをしているのですが、その血管を作る細胞は30代をピークに老化が始まってしまい、その後は様々な障害を引き起こしてしまいます。
最近では、運動不足や欧米型の食事によって血管の老化スピードが速くなってしまい、実際の年齢よりも血管年齢が高くなる人が増加しているのです。
活性酸素との関係
これらの血管は加齢にしたがって老化してしまうのですが、その老化の原因は血液に含まれている生命維持に不可欠な酸素が、酸化現象を起こして発生した活性酸素という有害物質によるものであるといわれているのです。
金属が経年劣化して酸化すると錆付くように、人間も体内酸化によって老化が早められ、この酸化に活性酸素が関係しているのです。
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血管の弾力との関係
血管年齢が若い人は血管の弾力もしなやかで、酸素や栄養の運搬や老廃物の排出のスムーズに行えることから、病気になりにくい健康な血管をもっています。
しかし、血管年齢の高い人はこの血管の弾力を失って硬くなってしまっている状態の人が多くいるのです。
こうした血管が硬くなる原因としては、ストレスや喫煙で血管が収縮することによることだったり、血圧の上昇で一時的に血管に圧力がかかることによって血管が硬くなることがあります。
このような場合には、原因を取除いてしまえば血管が硬くなることは防げるのですが、長年の生活習慣の乱れや体の加齢によって、血管自体が老化して硬くなっている場合には、治すのが困難になってしまうのです。
血管年齢が高くなることによって引き起こされる様々な症状とは
動脈硬化症
血管の老化で血管年齢が高くなることで引き起こされる症状としては、動脈の血管が狭くなってしまい本来の弾力性が失われてしまう動脈硬化症があります。
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血
この動脈硬化症になると、症状を起こす部位によって様々な症例があり、例えば脳の部位で発症する脳動脈硬化症となると脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの命に関わる重大な症状をひきおこすのです。
狭心症・心筋梗塞
また、心臓の部位で発症すると冠動脈硬化症となり、狭心症や心筋梗塞などを引き起こしてしまいます。
大動脈瘤・尿毒症
他にも、冠動脈硬化症になると大動脈瘤を引き起こしてしまいますし、腎動脈硬化症になると尿毒症になってしまいます。
動脈硬化とコレステロールの関係
このように恐ろしい症状を引きおこす動脈硬化ですが、コレステロールとの関係で動脈硬化がどのように進むかについては、まず体内でコレステロールが血管内壁に溜まって血管が徐々に狭くなってきます。
次に、コレステロールが繊維化して血管を固くしてしまい、血液も通りにくくなってしまいます。この血液が通りにくくなった状態が動脈硬化の状態であり、血栓がつまったりすると血液の流れが遮断され、心筋梗塞や脳梗塞をひきおこすのです。
老化した血管年齢を下げる方法とは
なるべく薬に頼らずに血管年齢を下げるためには、食事と運動に気をつけることが基本となります。
血管年齢を下げる食べ物
塩分や高カロリー食の制限
高カロリー食品や高タンパク食品、塩分の取りすぎなどの食生活は、血液中に含まれる脂質を過剰にもたらす脂質異常症や高血圧症などの生活習慣病に直結してしまうことから、血管の老化を早めてしまうので取り過ぎないように注意しましょう。
特に塩分の取りすぎは、血圧が上がることで血管の内皮細胞が傷ついて機能が低下してしまいます。
野菜などの緑黄色野菜
かぼちゃやピーマン、ニンジンなどの緑黄色野菜は、血管の老化を早める活性酸素を防止し、細胞の参加を防ぐビタミンA,C,Eが豊富にふくまれていることから、様々な種類の緑黄色野菜を食べるようにしましょう。
特に野菜に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分を排出してくれますし、ビタミンCは血管の強化するのに役に立ってくれます。
豆類のイソフラボン
また、豆類に含まれるイソフラボンは血液をサラサラにする効果があることから、動脈硬化の予防に効果があります。
そこで、大豆を原料とする納豆や豆腐、ピーナッツ、枝豆などを日常的に食べることで、動脈硬化をふせぐことができます。
青魚のDHA・EPA
さらに、イワシやサバなどの青魚に含まれるDHA・EPAは、高脂血症を改善し心筋梗塞のリスクを下げる効果があります。これらの、青魚も食べるようにしましょう。
青魚を簡単に食べるにはサプリメントも有効です。
抗酸化作用を持つポリフェノール・リコピン
血管の老化を招く活性酸素ですが、酸化を防ぐ抗酸化成分を持つオリーブオイルや赤ワインのポリフェノール、トマトのリコピンなども活性酸素による血管の老化を防いで血管年齢を若く保ってくれます。
血管年齢を下げるための運動
肥満防止のための運動
血管の老化予防には、食事療法のほかにも運動は欠かすことができません。特に、運動不足で肥満になってしまうと、血管にコレステロールが溜まり血管の老化を早めてしまうことから、肥満は血管の老化にとって大敵です。
ウォーキング
運動といっても、過度な運動や激しい運動は活性酸素を余分に発生させてしまう場合があることから、1日30分から1時間のウォーキングを日常的にするようにしましょう。その場合、ただ歩くだけではなく、早歩きとゆっくり歩きを3分程度で交互に行うのが効果的です。
また、ウォーキングの際には適度に腕を振って、全身を使う感じで行いましょう。そのようなウォーキングの時間が忙しすぎて取れないという人は、仕事への通勤時間に一駅歩いてみたり、エレベーターやエスカレーターなどを使わずに階段を使って運動するようにするのが良いです。
ブラジキニンとの関係
同様に、有酸素運動である水泳などをおすすめですが、これらのウォーキングや水泳などをするとブラジキニンという余分なコレステロールや老廃物の排出を促す成分が増加することから、動脈硬化を改善する効果があるのです。
血管の老化は命を落とす危険があることから、運動と食事に注意し血管を若々しく保つ努力をが大事です。
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