脳の老化による衰えの理由とは
人間の脳にはりめぐらされている神経細胞(ニューロン)の数は、千数百億もの数があるといわれています。
感情や思考、運動という脳の活動は、神経細胞が活動電位(インパルス)と呼ばれる一種のデジタル信号を次々と別の神経細胞に伝えることによって働いているのです。
脳が老化によって衰えるのは、この神経細胞が減少することによって起こります。通常20歳をピークとして、20歳を過ぎたころから徐々に神経細胞の数は現象してきますが、脳への栄養が不十分であったりすると、その減少の速度が速まってきてしまうのです。
脳内の血管に障害が生じてしまうと、単なる脳への栄養不足となるだけではなく、重大な脳疾患をももたらしてしまいます。
また、喫煙によって活性酸素をたくさん発生させてしまったり、重金属などの有害物質をたくさん取り込んでしまうことによっても、神経細胞の減少は加速してしまうのです。
脳の機能低下の他の理由としては、神経伝達物質の分泌の衰え、グリア細胞の機能低下です。これは、神経細胞を正常に作動させるシステムが、不規則な生活や極度のストレスなどによって長期間ダメージを受けると、神経細胞の働きが阻害されてしまうからなのです。
このように、脳の老化によって障害が生じてしまうと、記憶力や判断力などの低下が起こり、普通の社会生活をおくれなくなってしまったりすると、認知症の状態になってしまいます。
認知症で一番多いのは、原因不明のアルツハイマー型認知症で、脳の神経細胞が急激に減少して脳が萎縮してしまい、高度の知能低下や人格の崩壊をもたらすものです。このように、脳の機能の低下は恐ろしい状態をもたらしてしまう危険性があるのです。
脳の機能を維持し、若々しい脳を保つためには
脳の神経細胞は、新しい情報を記憶することや、軽度の運動をしたり感動したり笑ったりするなどの刺激を受けることで活性化し、新たな回路が増えることもわかってきています。
脳をいつまでも健康に保つためには、血管を錆付かせない生活を心がけるとともに、人生経験を生かしてストレスと上手に付き合いながら、新しいことにチャレンジすることが大切です。
また、神経細胞やグリア細胞などの脳細胞の加齢による衰えをできる限りゆるやかにすることも重要です。そして、そのようにするためには脳年齢と相関関係となる血管年齢を若々しく保つことが必要となってきます。
血管が元気な状態だと、重大な脳疾患になることもなく、常に脳に十分な栄養が行き渡ることから、脳年齢の若さを保てるからです。
血管の若さを保つ方法の記事はこちら
脳の健康を維持するための食事とは
脳の健康を維持するためには、脳細胞に悪影響を及ぼす活性酸素を減らすことも重要です。最近活性酸素を減少させる栄養素として注目を浴び始めているのが、フォトケミカルといわれる栄養素があります。
フォトケミカルとは、ビタミンやミネラルなどの栄養素とは別の栄養素で、第七の栄養素とも呼ばれるものです。動物のように自ら動いて身を守ることもできない植物が、自己防衛のために生成している成分で、具体的には紫外線を無害にする色素や、外的から身を守るための苦味や辛味、香りなどの成分があります。
これらのフォトケミカルが、様々な形でアンチエイジングの効果があることがわかってきており、その数は現在1000種類以上もの数があります。
フォトケミカルの例としては、ブルーベリーやお茶、そばなどに含まれるフラボノイド、にんじんやカボチャなどに含まれるカロテン、ほうれん草やサケ、いくらなどに含まれるキサントフィル、ブロッコリーや小松菜などに含まれるイソチオシアネート類などがあります。
フォトケミカルはその性質上、野菜や果物の皮や茎などに多く含まれているので、フォトケミカルを取りたい場合には、皮などをむかずに食べるようにしましょう。
脳を活性化させる生活習慣とは
脳の老化による衰えを防ぐためには、神経細胞その他の脳細胞に悪影響を与える生活習慣を見直すことも大切です。
食べすぎは禁物
過度のカロリーの取りすぎて太ってしまうことは、脳の動脈硬化を促してしまい、健康面でも非常に危険です。
もっとも、ダイエットなどをしすぎて脳が栄養不足にならないように、適度に脳に良い栄養素はとるほうが良いです。
喫煙や過度の飲酒も悪影響
喫煙や過度の飲酒なども当然脳にとっては良くないことですから、これらはできる限り控えたほうが賢明です。
日常生活で入ってくる有害物質なども脳に悪影響を与えることから、汗や尿などで排泄を促しましょう。
過度なストレスも悪影響
また、過度なストレスを受け続けると、脳内の神経物質のバランスが崩れて神経細胞を萎縮させてしまいます。
慢性的なストレスは、自律神経やホルモンバランスまでも悪影響をあたえてしまうことから、自分のストレスを上手に発散する方法を見つけ出し、ストレスのない生活を心がけましょう。
十分な睡眠を
脳の休息のためには、当然睡眠も必要です。脳に栄養が行き渡るのは睡眠中とも言われていることから、7時間前後の十分な睡眠をとるようにすることが必要です。
脳を常に刺激し続け、脳を活性化させ続けて、脳の若々しさを維持できるようにしましょう。
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