ハーブとは
ハーブ(herb)の名前の由来は、ラテン語で草を意味するherbaから来ており、薬効のある成分を含む植物のことです。
薬効成分を含む植物であることから、薬草や香草、薬用植物とも呼ばれています。このような人に有効な薬効成分を含んでいることから、ハーブの効能の発見に伴ってはるか昔から人類の生活の様々な場面でハーブは利用されてきたのです。
ハーブというと一般的にはミントやローズマリーなどといったものをイメージする方が多いかもしれませんが、実際にはニンニクやヨモギ、たんぽぽ、生姜など日本人に馴染みのあるものもハーブに含まれるのです。
ハーブの使用法とは
ハーブは一般的に、そのハーブの種類によって花や種子、葉、果実、根茎などいずれかの部分を使って、料理のスパイスやハーブティー、化粧品、薬品などに利用されています。ハーブには様々な有効成分を含んでおり、その有効成分を材料として治療薬や漢方薬などが作られているのです。
このように聞くと人間にとって有用なだけのもののように聞こえますが、実際には私達の身体に悪影響をもたらす効果を含んだものも存在していますし、多様な成分を含んでいることから、その全ての成分の効果が解明されていない場合もあります。
ハーブの有効性は健常者を対象としていることから、持病を持っている人や妊娠中に方などは使用前に成分や効用などをしっかりとチェックしたり、専門医に相談してから使用するようにしましょう。
アンチエイジングに役立つハーブの種類と効果とは
エキナセア
エキナセアとは、北アメリカ原産のキク科の多年草です。ピンク色の花をつけるのが特徴的ですが、他にも黄色や白色など様々な種類の花弁があり、大別すると全9種類があると言われています。
エキナセアには、特に根茎に薬効作用があり、抗菌性や抗ウィルス性、免疫力増強などの効果があるのです。特に、エキナセアの中でもエキナセア・プルプレアがもっとも強力な効果を持つと言われています。
抗菌や免疫力を高めてくれる作用があることから、風邪やインフルエンザの予防効果があるので、インフルエンザや風邪が流行している場合には、エキナセアを摂取するようにしましょう。欧州などでは、風邪の予防薬として広く親しまれています。
また、ガンなどの腫瘍に対しても効果があり、ガンなどの腫瘍やウィルスを攻撃するNK細胞を増加させるという働きもあります。
エキナセアを摂取する場合には、サプリメントで取るほうがお手軽ですが、エキナセアのハープティーを飲むという方法もあるので、ウィルスや細菌の侵入を防ぎたい場合には、お茶代わりにエキナセアのハーブティーを飲むと良いでしょう。
イチョウ葉
中国原産であるイチョウは、日本でも馴染みのある植物として知られていますが、血流を改善する効果を有していることから、欧州では認知症や不安症などの神経症状の治療薬として使用されています。
イチョウ葉に含まれる成分にギンコライドという成分があり、このギンコライドに血流を改善する作用があるのです。
血流が改善されると、冷え性などの改善などの効果もありますが、脳の血流量が増大することによって、集中力の向上や記憶力の向上の作用が期待でき、アルツハイマー病や認知症の予防にも効果があります。
また、イチョウ葉にはフラボノイドの一種であるプロアントシアニジンが含まれていることから、強い抗酸化作用も有しています。その抗酸化作用の強さはビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍とも言われていることから、抗酸化作用の強さによって美容だけではなく血管の強化して若さを保つのにも効果的です。
イチョウ葉を摂取する場合には、やはりお手軽に取れるのはサプリメントで結構多くの種類が存在しています。他にも、イチョウ葉茶として飲む方法があり、枯れ草の匂いがわずかに残り少し苦味を感じる味となっています。
もっとも、生のイチョウの葉や果肉を直接食べるのは危険です。また、血液がサラサラになり血流量が増大することから、抗血小板約薬や抗凝固薬を服用中の方は飲まないようにしましょう。吐き気や胃腸障害などを起こす場合があるので、そのような場合には摂取するのを止めるようにしましょう。
セントジョーンズワート
セントジョーンズワートは、ヨーロッパ原産の植物で、現在ではアジアやアメリカ、中東などにも広く栽培されている多年草です。
セントジョーンズワートの和名は西洋オトギリソウで、聖ヨハネの日ころまでに花が咲いてその日に収穫されることから、セントジョーンズワートと呼ばれるようになりました。
セントジョーンズワートには、幸福の伝達物質として知られるセロトニンの分泌を高めたり鎮静作用のあるギャバの働きを高めたりすることから、鬱病や更年期障害、不眠症などの改善に効果があり、精神安定作用を有しています。欧州の一部の国ではセントジョーンズワートから抽出された成分が、抗うつ剤として処方されていたりしています。更年期障害やPMSで悩む人は、セントジョーンズワートを摂取するようにしましょう。
また、抗菌作用や抗ウィルス作用があることから、インフルエンザやエイズ、ヘルペスなどの感染のリスクを軽減することができます。
ノコギリヤシ
ノコギリヤシは、北アメリカの南東部に広く分布しているヤシの一種です。名前からもわかるように、のこぎり状の葉を有しており、数センチほどの実をつけるのですが、この実が油性物質が多く含まれていることから、ノコギリ油としても利用されています。
前立腺の肥大は、5αリダクターゼという酵素によってテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されることによって生じるのですが、ノコギリヤシにはこの5α還元酵素を抑える作用があることから、前立腺肥大の症状を抑制したり軽減させたりすることができます。
前立腺肥大になると頻尿になってしまったり、これに伴う様々な症状が現れることから、このような症状全般に効果はあり、ドイツでは前立腺肥大の医薬品ともして利用されています。
また、最近では前立腺肥大の症状の他にも、男性の薄毛の対策サプリとして注目を浴びています。
ノコギリヤシを摂取する場合には、大量に摂取すると吐き気やめまい、下痢などを引き起こす可能性があるので、適度な量を摂取するようにしましょう。