カロテノイドの種類とその抗酸化の効果とは?含まれる食品・野菜【2024】

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天然色素成分であるカロテノイドとは

カロテノイドとは、植物を中心とした動植物の体内に存在する黄色、赤色、オレンジ色などの天然色素成分の総称のことをいいます。

カロテノイドには、トマトに含まれるリコピンやニンジンに含まれるβカロテンなど現在約700種類以上の種類の存在が確認されています。

また、動物性のカロテノイドとしては、鮭に含まれているアスタキサンチンなどが有名です。

人の体内にもルテインやリコペンなどのカロテノイドが網膜や肝臓、肺などに存在しているのですが、人間には自らカロテノイドを合成することができないことから、カロテノイドを含んでいる植物から摂取する必要があります。

このカロテノイドは、通常自然界では植物の光合成によって発生する活性酸素や太陽の強い紫外線から植物の細胞を守る重要な働きをしているのです。

 

さまざまな野菜にカロテノイドは含まれています

カロテノイドの体内での重要な働きとは

カロテノイドは、植物が紫外線から身を守るために作りだした抗酸化物質であることから、いずれも優れた抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去する作用の早さはビタミンEの数十倍もの効果があるといわれています。

老化の原因となるのが活性酸素ですが、カロテノイドを摂取することによって様々な老化の現象から身を守ることができます。特に、紫外線が肌にあたることで活性酸素が発生し、肌のシミやシワの原因になるのですが、カロテノイドの抗酸化作用によってお肌を守ることもできるのです。

また、カロテノイドは活性酸素から身を守ることから、免疫力を強化したり感染症の予防にもつながるなど、体内の老化を防ぐだけではなく病気からも身を守ってくれる働きがあります。

 

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代表的なカロテノイドとは

リコピン

カロテノイドの一種であるリコピンは、トマトやスイカなどの赤色などの野菜に含まれている成分です。

リコピンはカロテノイドの中でも特に高い抗酸化作用を有しており、この高い抗酸化作用によって体にさまざまな有用な効果をもたらしてくれます。

特に、リコピンの注目すべき健康効果は、前立腺がんや乳がん、肺がんなどのがんの予防効果です。リコピンを摂取することによって、これらのがんの予防をすることができます。

また、リコピンの摂取量が多い人は、心筋梗塞にもなりにくいという効果もあります。

さらに、リコピンには肌のシワの原因となるメラニンを作り出すチロシナーゼの働きを抑制する効果もあることから、強い抗酸化作用とあいまって美肌効果も期待することができるのです。

このように重要な効果をもつリコピンですが、1日の摂取量の目安はおよそ6~12ミリグラムです。トマトジュースの1缶に含まれるリコピンの量は、およそ24ミリグラム程度ですので、毎日トマトジュースを一本飲むだけでも1日の摂取量は満たすことができます。また、大きめのトマト1個に含まれるリコピンの含有量は、約7ミリグラム程度ですから、1日に1個か2個のトマトでもリコピンの摂取量をカバーすることが可能です。

リコピンを摂取するためにトマトを食べる場合には、リコピンは脂溶性なので生のまま食べるより油で調理して食べたほうが効率的に摂取することができます。リコピンは熱に強いことから、火を使う料理に用いたとしてもリコピンの成分が損なわれることはありません。

また、トマトを選ぶ場合には、トマトに含まれるリコピンの量は完熟度によって大きく異なることから、まだ半分青い状態のトマトには十分にリコピンが含まれていないので、よく熟れた真っ赤なものを選んで食べるようにしましょう。

 

よく熟れたトマトを食べてリコピンを摂取しましょう

βカロテン

カロテノイドの中でも、リコピンと同様に代表的なものとしてβカロテンがあります。

このβカロテンは、にんじんやカボチャなどの緑黄色野菜に豊富に含まれており、体内に摂取されると必要に応じてビタミンAに変化する性質を持っています。カロテノイドの中には同様にビタミンAに変化する性質を持つものもあるのですが、最も効率よくビタミンAに変換されるのがβカロテンなのです。

βカロテンは、ビタミンAのストックとして血液中に貯蔵されているのですが、ビタミンAに変換される以外にもβカロテン自体にも強い抗酸化作用をもっていることから、免疫細胞を活性化したり、認知症の予防に効果があったりします。

また、皮膚や粘膜を丈夫にすることによってウィルスの侵入を防いでくれるので、風邪などの病気の予防にも役立ちます。

さらに、βカロテンは目のビタミンとも呼ばれていることから、視力の向上改善に役立つので、不足すると暗闇での視力低下や色を判別する力が弱くなったりします。

βカロテンの1日の目安となる摂取量は特に決まっていないのですが、βカロテンを摂取したい場合には、ニンジンやカボチャ、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜を多く食べるようにしましょう。特に、緑黄色野菜にはβカロテン以外にも多くのカロテノイドやビタミン類が含まれていることから、相乗効果でより強い抗酸化作用が得られます。

βカロテンは脂溶性ですので、そのまま生で食べるよりも炒め物にしたり、オイルの含まれているドレッシングをかけて食べることによって小腸での吸収率をアップさせることが可能です。

 

ニンジンなどの緑黄色野菜を食べてβカロテンを摂取しましょう

アスタキサンチン

アスタキサンチンは、鮭や蟹、エビなどに含まれている赤色の色素成分です。アスタキサンチンはカロテノイドの中でも特に高い抗酸化作用をもっていることから、注目を集めてきています。

アスタキサンチンは、コレステロールの運搬を行う血液中のLDLの酸化を抑制する効果を有していることから、血管の内部を保護し動脈硬化を防いだり、心臓病などの予防に役立ちます。

また、アスタキサンチンは目の網膜の障害を改善する効果もあることから、眼精疲労の人がアスタキサンチンを摂取することで、目の調整機能を良くしたり、目が紫外線から受けるダメージを軽減させたりします。

さらに、アスタキサンチンの特に優れているところは、脳や目にある血液脳関門や血液網膜関門という不要な物質が重要な器官である脳や目にいかないようにするためのフィルターを通過することができることです。ビタミンCやβカロテンなどの栄養成分も通過することができないにもかかわらず、アスタキサンチンはこのフィルターを通過することができるのです。

このように、アスタキサンチンは直接脳や目に影響を及ぼすことができることから、活性酸素の発生しやすい脳にダイレクトに抗酸化作用を伝えることができるので、脳や目の老化防止や認知症予防に役立ってくれます

アスタキサンチンの目安となる摂取量は、1日に6ミリグラム程度だとされていますが、3~6ミリグラム程度は取るようにしましょう。アスタキサンチンは、鮭やマス、エビ、蟹、鮭の卵など赤い色の魚介類に多くふくまれていることから、アスタキサンチンを摂取したい場合にはこれらを重点的に摂取するか、サプリメントで補充するようにしましょう。

また、アスタキサンチンを摂取する場合には、同時にビタミンCと一緒に食べると効果的ですから、鮭の切り身にはレモン汁などをかけて食べるのは効率的です。

 

カロテノイドを上手く摂取することによって、抗酸化作用で体を上手くアンチエイジングして若々しい体を維持しましょう。

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